。☆゜星空゜☆。


「いやぁぁぁぁ~、翼!帰ってきて!帰ってきてよ!!」


あたしは翼がいなくちゃダメなの。翼なしじゃ、生きてる意味さえないの。


どうして!?


どうしてよ……。


あたしの傷なんて、翼がいてくれれば癒えるんだよ。


あたしの傷ついた体なんて、どうでもいいんだよ!!


あたしは泣きじゃくった。


「いやぁ!!翼……、いやぁ!!!」


あたしの中ですべてが崩れ去っていった。


幸せな日々が嘘だったかのように。


もう二度と、戻ることのない幸せな日々ーーーー。



「流奈ちゃん!流奈ちゃん!?大丈夫?ねぇ……」


目を開けると、お兄ちゃんがあたしの目の前にいた。


お兄ちゃんの顔を見ると、目の下にはくまができていて、瞼はさっき以上に腫れ上がっていた。


「お兄ちゃん、翼はどこに行ったの?」

「……。流奈ちゃん……」


あたしはお兄ちゃんに笑いかけた。


「翼に逢いたいの……、翼のところに行きたいの……。お願い!お兄ちゃん」

「流奈ちゃん?翼はもう戻ってこないんだよ」

「でも約束したから、あと少しで着くからって。だから……」

「流奈ちゃん!!しっかりしろ!!!」


お兄ちゃんは、あたしの肩を掴んで揺らした。


「嫌ぁー!!翼がいなきゃ嫌なの!!!」


もう、死にたかった。


翼のいない人生なんて、あたしには意味なかった。


「あたしの……あたしのせい。ぜんぶあたしのいせいなんだよ。あたしがいなくなればよかった……」


そのとき。お兄ちゃんがあたしをひっぱたいた。涙が溢れた。


ただお兄ちゃんをあたしは見つめていた。






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