。☆゜星空゜☆。
ごめんなさい。
心の中で謝りながら、あたしは部屋の片づけをした。
翼のために、喜ぶ顔を見たいがために、一生懸命飾ったクリスマスのときの飾りも片づけた。
“部屋はしばらくあのままがいい”
仕事へ行く前に、あたしに書いてくれた手紙。
あたしがあの日、事件が起きて翼から離れようとしてから、また翼とこの部屋に戻ってきたときにも片づけられてなかった、
クリスマスのときの飾り。
あたしは涙ながらに片づけ始めた。
「翼?ごめんね、片づけるね」
どうしてかな。
あのときは幸せいっぱいで飾りつけたはずなのに、あの幸せだった日々から、まだ1週間も経っていないのに。
いま、あたしのそばには翼がいないんだ。
飾りつけを片づけたあと、部屋を見まわした。
たくさん撮ったふたりの写真。
まだ現像していないカメラが部屋のテーブルの上に乗ったままだった。
「翼、現像してくるからね」
あたしはカメラをバッグに入れた。
ゲームセンターで翼にとってもらった、たくさんのぬいぐるみをひとつずつ、もう誰も寝ることのないベッドの上に並べていった。
なかにはすごく欲しくて欲しくて、やっと取ってもらったクマのぬいぐるみがあって、
それを必死に取っているときの翼の横顔が思い出された。
「翼、これだけは家に持って帰っていいかな。いいよね……?」
あたしはギュッとクマのぬいぐるみを抱きしめた。
それから、翼が大好きだったCDをセットし、なかでも翼が大好きで、寝るときにはいつもかけていた曲をかけた。
あたしはその歌を口づさんだ。
いつもなら翼が唄っていたのに。
もう聴こえない。
もう聴けない……。