。☆゜星空゜☆。
翼が大好きだった曲、翼が毎日聴いていた曲。
「俺なぁ、流奈が俺のそばからいなくなったとき、ずっと聴いてたんだ。繰りかえし何回も。
あのときは、もう一緒に聴くこともないのかなって思ってたけど。もうきっと、ひとりで聴くことはないな!!流奈がいてくれるから」
そう翼が言ってくれていた。
でも、翼、いまはあたしひとりでこの歌を聴いているの。翼がいないんだよ?おかしいよね?翼……。
泣きながらあたしは、最後に翼とあたしのパジャマを畳んでベッドの上に置いた。
「つばさぁ!!!」
わかっていた。
もう充分わかっていた。
どんなに泣いても嘆いても、もう二度と翼が戻ってくることはないってことくらい。
それでも涙が止まらなくて、ベッドにしがみつき、泣き続けた。
もうどうしたらいいのか本当にわからなかった。
突然、あたしの前からいなくなっちゃった翼。
あたしには、その現実をすぐに受け止めることなんて、できなかった。
これが現実なのに。
あたしは翼を裏切り、逃げ続けた。