。☆゜星空゜☆。
いつの間にか、あたしは公園にたどり着いていた。
ここがどこなのかもわからなかった。
ベンチに腰を下ろし、顔をなでると腫れ上がっていた。
口の中に広がっていた血の味はなくなってきたけど、口を開けると痛みが走った。
きっと酷い顔をしているんだろうな
あたしは水道で顔を洗った。
夏の風が冷たくて、なんだかとても心地よかった。
「ねぇ?」
そのとき、うしろから声が聞こえた。
「なに?ってか、誰?」
「誰……って、俺もお前を知らないんだけどさ」
「はぁ?」
突然、現れた男に見られないように伏せていた顔を、思わず上げた。
あたしより少し年上と思われる男は、いかにも暴走族に入ってますと言わんばかりの、いかついヤンキー顔で。
だからなのか、あたしの顔を見ても驚きもせず、ただ、じぃ~っと見つめていた。
「見んなよ!」
そう言うと、さっきとは別人のように優しく笑い、去っていった。