。☆゜星空゜☆。
しばらくすると、家の前でバイクを吹かしはじめた。
あたしは自分の部屋から出て、お母さんのいる居間へ行った。
お母さんは下を向いていた。
「お母さん、ごめんね。近所迷惑だよね……」
お母さんの後ろ姿が寂しそうで、あたしは玄関に向かった。
「流奈!行くんじゃない!!」
お母さんがあわてて止めに入った。あたしは笑顔で「大丈夫だよ。すぐ戻るから」そう言って玄関を出た。
「なに……?」
家の前には単車に跨った女が4人いた。
そのうちのひとりは中1のとき同じクラス友達のサキで、ほかはバリバリヤンキーの先輩だった。
「ちょっと来いよ」
あたしは単車のケツに乗せられた。サキはあたしと目も合わせなかった。
しばらく走り、田んぼみたいなところで、みんなエンジンを切った。あたしは単車から降りた。
「なぁ、日の出暴走行くだろ?」
ひとりの先輩が腕を組んで聞いてきた。あたしは黙っていた。
「聞いてる?ってか、なんで電話シカト?」
それでも黙っていた。そのとき痺れをきらしたひとりが、あたしの胸元を掴んだ。
「てめぇ~、調子にのんなよ?!?」
「行かないから、電話にも出なかっただけ」
そう言うと、別の女があたしを殴った。あたしはその女を睨んだ。
「やり返せよ?暴れん坊が!!」
それでもあたしは黙って睨みつづけた。
翼との約束――。