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「翼は……、翼はね、これから生まれまわるんだよ……」
その言葉にあたしは驚きを隠せなかった。
「もう一度、もう一度ね。流奈ちゃんと出逢うために、あいつは生まれかわるんだ」
あたしは大声で泣いた。
「だから、笑っていて。笑ってるんだよ」
翼があたしに最後、電話で残した言葉を……、彼は言っていた。
「翼……、悲しむから。流奈ちゃんが笑顔失ったら」
彼も泣きはじめた。あたしを支えてくれていた人たちも、声を震わせて泣きはじめた。
「わかりました」
あたしは静かに立ち上がり、みんなに頭を下げて微笑んだ。
みんなあたしを見て泣いていた。
そう、あたしだけじゃない。
翼がいなくなった悲しみは、みんな同じ……。
「行かなくちゃいけないところがあるので行きます」
みんなにもう一度頭を下げて、その場から離れた。
すると、さっきの男の人が追いかけてきて、あたしに傘をくれた。
「濡れちゃうから。これさしていって」
そう言うと、あたしの手に傘を持たせてくれた。
「ありがとうございます」
「流奈ちゃん、翼の分までちゃんと生きてね」
あたしはなにも言えず、ただ……、うなずいた。
そして、翼との思い出の場所へと向かった。
翼、待っててね。
精一杯の微笑みを浮かべ、あたしはひとり歩きだした。