。☆゜星空゜☆。
「痛ーーっ!」
びっくりして、大声をあげると、
「痛くねぇよ、これぐらい。殴られたほうがよっぽどいてぇだろ?」
「そういうときは必死で、痛さなんてわかんねぇーの!」
大きな男の手で絆創膏を顔に貼ってくれた。
「よし!これで応急処置完了!」
あたしの頭をポンポンと叩いた。
「……り……が……とぅ」
「なに?なんか言ったぁ?聞こえねぇ」
「……あ……りがとね」
「はい?なんて?」
「もう言わない!いまのは聞こえているはずだもん!」
「ハハハ!どういたしまして」
「……」
沈黙のなか、ふたりの間を涼し気な風が吹いていく。いっそのこと、このままあたしの心まで飛ばしてくれたら……。
そう思っていた。
「でも、だっせぇな、その顔、ブチャイクだよ」
「うるさいよ、もう」
「なぁ〜んだ、笑えんじゃん」
「えっ!?」
「笑ってる顔、かわいいよ?」
「……」
「まぁ、顔治ったら逆にひどかったり?」
「本当ムカつくんだけど!!」
「ってか、今さらだけど、名前なんていうの?」
「なんで?」
「なんで……って、聞いてるんだよ!救いの神様になんてこと言うんだよ」
「えっ?誰が神様だって?」
「はい!はい、俺……俺!」
手を挙げて優しく微笑む顔に、一瞬だけドキッとした。