。☆゜星空゜☆。
「足?なにもなってねぇのにな……」
「違うの……、そこじゃないの」
「どこ?」
「膝から上……、足つくと少し痛いだけ……」
「ちょっとごめんな」
翼はズボンをめくりあげた。
「なんだよ!これっ!」
ビックリした様子であたしを見た。
ひどいもんだった……。
雄也に蹴られた跡は、膝から上、太ももまで黄色く変色していた。
「なぁ?これ女のケンカ?」
あたしの太ももから目を離さず、怒りがにじみ出た翼の表情に一瞬だけ怖さを感じた。
「そうだよ……」
「……じゃねぇな。流奈、乗れよ!」
「えっ??いいよぉ、無理」
「いや、俺が無理だわ」
「平気だってばぁ!ハハハハッ」
「お前、女だよ?跡が残ったらどうすんだよ」
少し起こったような声に、あたしは戸惑いながらも、さっき初めて会った男の背中に乗っかった。
「本当ごめんね……」
翼はなにも言わなかった。
なにも言わず、あたしを背中に乗せた。
翼の背中は大きくて、男らしい感じがした。
今日、いや、さっき出逢ったばかりなのに、なんだかずっと前から知り合いだったかのような気がした。