。☆゜星空゜☆。
翼とはいろいろな話しをした。
おもしろい話も悲しい話も。
翼の過去……。
あたしには衝撃的だった。
翼は13のときから暴走族に入り、悪さをたくさんしてきて何度も鑑別所や少年院に入っていた。
それからクスリに手を出し、溺れていった。
でも、ある日を境に翼の人生は変わった。
いちばん仲の良かった親友の「死」--ー。
クスリでキマってるときに集会があって、単車で向かう途中、電柱に突っ込んで、そのまま還らぬ人となった。
聞いたとき、びっくりして言葉を失った。
遠くを見つめて話す翼に声とかけることができなかった。
それを機に翼は族とクスリから足を洗ったという。
「あいつがよ、俺たちに教えてくれたんだ。あいつのためにも俺は生きる意味を見つけなきゃいけないんだよ。こんな俺でも生きててよかったって思える日が来るようにさ」
そうあたしに話してくれたときの翼の目はとても輝いていた。
「あたし、帰らなきゃ!」
「だな!みんな心配してるよ」
「うん」
「送っていくよ!」
「でも……」
「なに?」
「雄也に見られたら、また……」
翼は頭を撫でてくれた。
「俺いるじゃん!」
「だから、まずい」
「まかしとけって」
それから、あたしの住んでいる場所を聞いて車を走らせた。