。☆゜星空゜☆。


「ここでいいの」

「もう?ちけぇの?」

「うん、すぐそこだから」

「そっか」

「本当にありがとう」

「おう!」


一瞬、沈黙が走った。


「……あ……のさ」

「……あ……のよ」


同時だった。


「なに?翼?」

「いや、流奈が先言えよ」

「嫌だもん」

「ばぁ~か!」

「えっ?それだけ?」


笑いが響くなか、翼が真剣な顔をした。


「ちげ~よ。あのさ、連絡先聞きたいんだけど」

「ナンパじゃん!」

「ちげ~よ!」

「ヘヘッ」

「流奈はなんて言おうとしたの?」

「あたしも同じ」

「逆ナンじゃん」

「違うよ~」

「教えてくれる?」

「うん。って、ぁあ!!」

「なに?」

「ピッチ落としたんだった」

「はぁぁあ?」

「忘れてた……」

「忘れてたって……。っていうか、止めたの?」

「止めてはいよ!忘れてたぁ!」

「早く電話して止めなきゃ!使われるよ」

「そうだよね……」

「じゃあ、とりあえず俺の教えておくよ」

「うん!」

「書く物ある?」

「えっ?あるわけないじゃん」

「だよな。じゃあ、覚えて」

「えっ?無理だよぉ」

「じゃあ、無理じゃん」

「わかった。覚える!」

「じゃあ言うよ?070-××××-××××」

「覚えた、覚えた!」

「本当に覚えたの?流奈がかけてこなかったら……俺たち……」

「わかってるよ。連絡取れないよね。流奈、帰る!」


あたしは急いで車を降りた。



< 27 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop