。☆゜星空゜☆。
「ここでいいの」
「もう?ちけぇの?」
「うん、すぐそこだから」
「そっか」
「本当にありがとう」
「おう!」
一瞬、沈黙が走った。
「……あ……のさ」
「……あ……のよ」
同時だった。
「なに?翼?」
「いや、流奈が先言えよ」
「嫌だもん」
「ばぁ~か!」
「えっ?それだけ?」
笑いが響くなか、翼が真剣な顔をした。
「ちげ~よ。あのさ、連絡先聞きたいんだけど」
「ナンパじゃん!」
「ちげ~よ!」
「ヘヘッ」
「流奈はなんて言おうとしたの?」
「あたしも同じ」
「逆ナンじゃん」
「違うよ~」
「教えてくれる?」
「うん。って、ぁあ!!」
「なに?」
「ピッチ落としたんだった」
「はぁぁあ?」
「忘れてた……」
「忘れてたって……。っていうか、止めたの?」
「止めてはいよ!忘れてたぁ!」
「早く電話して止めなきゃ!使われるよ」
「そうだよね……」
「じゃあ、とりあえず俺の教えておくよ」
「うん!」
「書く物ある?」
「えっ?あるわけないじゃん」
「だよな。じゃあ、覚えて」
「えっ?無理だよぉ」
「じゃあ、無理じゃん」
「わかった。覚える!」
「じゃあ言うよ?070-××××-××××」
「覚えた、覚えた!」
「本当に覚えたの?流奈がかけてこなかったら……俺たち……」
「わかってるよ。連絡取れないよね。流奈、帰る!」
あたしは急いで車を降りた。