。☆゜星空゜☆。
「おい!待てよ!」
あたしは走りながら手を振った。早く帰ってメモしなきゃ。
頭ん中では翼が言ったピッチ番号が何度も何度もリピートされていてる。
あたしは番号を唱えながら家に入った。
「流奈、帰ってきたの……って、なにその顔!どうしたの!?」
「あとにして!」
あたしはすぐ自分の部屋に入り、翼のピッチ番号を紙に書いた。
「ふぅ~、無事到着」
「流奈っ、ちょっと来なさい!」
母親に怒鳴られて、あたしは立った。
「痛ぁーっっ!そうだ……、あたし足……」
そう思ってズボンをめくると昨日よりひどくなっていた。
よくここまで走ってこられたな、と自分でも笑えた。
足を引きずりながら母親の元に向かう。
「なに?」
「『なに?』じゃないわよ!あんたはなに考えてんの!!」
「うるせーよ!」
「雄也クン来たわよ、ピッチ持って」
「ピッチ?あったの?返してよ!」
「あんたねぇ、雄也クンのほかに付き合っている人いるの?昨日、雄也クンがどんな気持ちで、帰って来ないあんたを待ってたと思ってんの!相手の気持ちもよく考えて、分かれるならお互いが納得するように話しなさい!」
「うるせーよ!関係ねぇーだろうが!」
あたしはその場から逃げるように部屋へ向った。
「人の気持ちをもっと考えなさいってこと!」
「うるせぇーって言ってんだよ!」
母親を睨みつけその場から逃げるように部屋へ向った。
なにも知らないくせに、なんなんだよ。