。☆゜星空゜☆。


涙が出てきた。


親なんか顔を見れば文句ばかり。


「どうしてそんなに変わっちゃったの」って。


あんたたちに何がわかるの?たしかに、あたしはいい子で、できる子だったかもしれない。


でもね、あたしだって“子ども”だったんだ……。


あたしだったかまってほしかったんだよ。


警察に捕まったときも、思いきりお父さんに怒ってほしかった。


なのに、お父さんはお母さんに迎えに来させて、自分は来なかったよね。


帰ってきて怒られるかなって思ってたのに「早く寝ろ」って。


たったそれだけ?


あたしはいけないことをしたんだよ?


いい子じゃないんだよ?


優しい父親、理想かもしれない。


でもね、優しいだけじゃダメなんだ、寂しかった……。


もっとかまってほしいだけなのに。


だからもっと、もっと悪さしてやろうと思ったんだ。


ケンカをたくさんした。


万引きも窃盗も、単車や車も乗り回した。


目をつけられて年上の女に囲まれたときも地が騒いだ。


なにも怖くなかったんだ。


集会中も警察に追われれば、それが快感だった。


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