。☆゜星空゜☆。
「それだよ!その笑顔!俺は流奈の笑った顔が大好きなんだ!!初めて会ったとき、本気で吸い込まれそうだった」
あたしは照れながら「ありがとう」と言った。
「ずっと笑っててな、俺が好きな流奈の笑顔を見るだけで幸せになれるんだから」
「うん!ヘヘッ」
あたしは幸せだった。翼の一言、一言が忘れられない。
“ずっと笑っててな”
「ねぇ?翼?疲れてる?」
「なに?大丈夫だよ!どぉしたぁ~?」
「わがまま言っていい?」
「なんでも受けて立つよ」
「流奈、海行きたい!初めて翼と行った海に」
「おう!いいよ。じゃ、支度するな」
翼はあたしの頭をなでた。翼の手はいつもあたしに魔法をかけてくれる。
冷めきっていたあたしの心に。
翼の手で、心で、愛で。
魔法をかけてくれたーーーー。
「よし!行くぞ!」
あたしたちは車で出発した。
2ヵ月前と変わらず、翼をあたしはいつも車の中ではしっかり手をつないでいた。
「今日も綺麗かな?星」
「おう!ぜってぇ綺麗だよ!」
2回目の夜の海。
ただ、秋の海はなんだかとても寂しくて、2ヵ月前と同じ海だとは思えなかった。
「やっぱりなんだか違うね、夏の海の夜とは」
「寂しいな……、なんかさ」
「うん……、でもいいな。なんか秋の夜の海も」
「なんで?」
「だって、翼とふたつ目の季節の夜の海だよ?なんだか寂しいけどうれしい!」
「じゃあ、冬の海もかならず来ような」
「うん。絶対だよ!」
「3つ目の季節にな」
「うん!」
自然と笑顔がこぼれた。