。☆゜星空゜☆。
「流奈、なんてお願いしたの?」
「えっ!?言ったら効果なくなっちゃうよ」
「だよな!」
ふたりで大笑いした。
「また冬に来ような!」
「来よう、来よう!」
「そして春にも来て、夏にはここの海で遊ぼう!」
「クラゲが出る前ね!」
「ハハハ!プールじゃなくてな」
「うんっ、そぉーだね」
「あっ、でもこれからビキニ禁止!」
「なんでよ~、嫌だよ」
「だって俺、嫉妬するよ」
「いいじゃん!」
「よくねぇー。流奈の体をほかの男が見てると思うと、ムカつくから!」
翼のスネた顔が愛しくて、あたしが笑うと照れくさそうに目を反らした。
「たくさん、たぁ~くさん思い出作ろうな!」
「たくさんね!」
「よし、また明日から頑張ろう仕事!」
「流奈も頑張る!」
「よし、いい子だ」
「翼?ありがとう……」
「えっ、なにが?」
「好きになってくれて、幸せにしてくれて。流奈ね、翼と出逢わなければ本当、終わってたよ」
「流奈、それは違うよ。流奈が変われたのは俺のおかげじゃないんだよ。自分の意志なんだ。俺は、ちょっと背中を押しただけなんだよ」
「翼のおかげなの!翼がいてくれたから」
「違うよ、人はみんなやればできるんだよ、なんでもね」
「そうかな・・・…、やればできるのかな?」
「できる!かならず」
「でも、やっぱり翼のおかげなの」
「アハハッ!そっかそっか。こんな俺でも、流奈を変えられたか~」
「翼だからね!翼だからだよ?」
「俺もやっと生きる意味、見つけたよ。きっとどうしようもなかった俺に、天国にいるアイツが天使を運んできてくれたんだ」
「天使とは、ほど遠いけどね!」
「俺の天使だよ」
翼が好き!すご~く好き!!
心の中で何度も叫んだ。
「寒いからそろそろ行くか?」
「うん!」
しっかり手をつばぎ、もう一度星空を見上げ、あたしと翼は2回目の夜の海を後にした。