。☆゜星空゜☆。
第2章~月の女神と太陽の騎士~
.:*星のない空*:.
それから翼とのラブラブな毎日は続いた。
いつも学校が終わると、あたしは理恵と理恵の彼氏と一緒に遊び、翼の仕事が終わってからは、翼が合流して遊んだり、ふたりでデートしたりした。
幸せだった。ずっとこんな幸せが続けばいい、続くもんだと信じていた。
その日もいつも通り学校へ向かった。
朝から真面目に登校することはないけど、必ず午前中には着いていた。
ただ、授業中のときは教室に入らず、廊下で座って授業が終わるのを待ったりしていた。
この日も同じように廊下に座っていると、授業中の先生が突然ドアから顔を出し、声をかけてきた。
「おい!中に入れよ!」
「あと少しでしょ?いいよ、次の時間から入る」
「わかった。でも帰るなよ」
「は……はい」
ドアから教室の時計を覗きこむと、授業が終わるまで15分くらいあった。
あたしは体育館の裏に回り、タバコを吸って時間を潰した。
ーーキーン、コーン、カーンコンーー
チャイムが鳴り終わる頃、重い腰を上げて教室に戻り、机の上に顔を伏せた。
「ん!?」
授業が始まり、す今が襲ってきた頃、バイクの爆音が響いた。
校庭に目をやると、校門から単車が次から次へと入ってきていた。
「誰だよ……うるっせーな」
教室はみんな騒ぎ始めた。先生は「自習しててくれ!」と言い残し、あわてて教室を飛び出した。
周りの生徒たちは「キャーキャー」叫んでいた。
「おい!うるせーよ、オメ~ら!」
寝てるところを邪魔されたあたしは、イライラして怒鳴った。
その声とともにみんな席に着き、教室は静まりかえった。
あたしは窓の外を眺めた。
バイクで乗りこんできたヤツらに、昔のあたしの姿を重ねていた……。