。☆゜星空゜☆。
放課後、理恵は先に帰ってしまった。
どんな時も待っていてくれたのに……。
あたしはひとり駐輪場に向かい、隅に隠していた単車に跨った。
“悪いことしない”
“次はないんだからね”
翼と理恵の言葉が頭の中を駆けめぐった。
あたしは単車を置き、家に向かった。
「いいんだ……これでいいんだ……。ほうっておけばいい」
学校に乗りこみ仕返しをしようとしたヤツらへの怒り。
世間から自分たちを守ることしか考えてない先生たちへの怒り。
それらを振り切るかのように、何度も何度も自分に言い聞かせた。
家に帰る途中、翼から電話があった。
「もしもし?」
「お疲れ様~!」
なにもなかったかのように会話した。
「いまどこ?」
「学校終わったところだよ!」
「俺、もう仕事終わったからさ、久々にゆっくりデートしよ」
「うんっ!じゃあ支度しておくね」
さっきのやり場のない怒りは嘘のように消え去り、あたしはウキウキ気分で家へ向かった。
「あれ……」
家の近くまで来たとき、3人の女たちがたまっているのが見えた。
「おい、こら!てめぇ、逃げてんじゃねぇよ~」
「あっ!もしかしてビビっちゃったぁ?学校じゃあ、みんなの前だし、イキがるしかないもんなぁ~」
言いたい放題の女たちに、あたしのイライラは頂点に達していた。
ダメ……、逃げられないよ……。
ごめん、翼、理恵。
あたしは女たちに近づいた。