。☆゜星空゜☆。


「なにその傷!」

「ぁあ……、ちょっと」

「ヤツら?さっきのヤツらにやられたの?」


理恵は怒りとともに帰っていこうとした。


「理恵、待って!]


あたしは理恵の腕を掴んだ。


「理恵までかかわることなんてないんだよ、行かなくていい」

「流奈っていつもそうだよね?あたしのときはいつもあたしより張り切って行くのに、自分のときはいつもひとりで片付ける」

「だって、あたしがからまれてるし……」

「ってか、もうやめて!お願いだから」


本当はうれしかった。


こんなあたしでも心配してくれる人がいるってことが……。


「でもね、理恵、あたし思ったんだ。やっぱり真面目にやろうとしても、もう抜け出せないんだよ……。やらなきゃやられるんだ」


理恵は黙っていた。


そして思いつめた眼差しで静かに口をひらいた。


「でも気づいて?かならず傷つく人がいるってこと」

「わかってるよ……、ごめん」

「翼くん。下にいるよ」

「えっっ??」

「流奈は愛されてる。だからその人のこと大切にしなきゃ。まだまだ考え甘いよ」


なにも言い返せなかった。


「でも、その顔じゃ逢えないね」

「うん……」

「でも一緒に行こう」

「うん」


あたしは傷を隠すための帽子を探した。


「ってか、ヤツら何人いたの?」

「3人だよ」

「で、やられたの?」

「違うよ!やり合ったのはひとり。前にケンカしたヤツのねぇちゃんだけだけど、あとからひとり追いかけてきて切りつけられた」

「ありえない……、流奈、もう殺されてもおかしくないところまできてるよ」

「あたしは大丈夫だよ!相手の手首、へし折ってやったから」

「……はぁ?やっぱり流奈イッちゃってる、頭」

「だよね……」


理恵と一緒に家を出た。


理恵は翼に手を振って帰っていった。


あたしに微笑みながら。


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