。☆゜星空゜☆。
「だからな、俺は流奈をそうさせたくはなかったんだ。俺のように孤独になってほしくなかった。危ない目にもあってほしくなかったんだ」
「翼……。ごめんなさい」
「俺はもう失うものなんてなくなったんだ。でも、流奈と出逢えて、幸せを初めて感じたんだよ」
「翼、ごめんね。流奈、なにも知らないで……。ごめんね」
「ビビった?嘘だよ。いまの話、全部うっそ~!」
「嘘なんかじゃないはずだよ。翼は嘘つかないよ」
翼は笑っていた。
あたしは翼から絶対離れない。そう、この日に誓ったんだ。
翼は寝転がって空を見た。
あたしも翼に寄り添って空を見た。
「奇跡かな?こんな俺に神様はすごい幸せを与えてくれた」
「奇跡かな?こんな流奈に神様はすごい幸せを与えてくれた」
「アハハハッ♪真似すんなよ、流奈ぁ~」
「翼が流奈の心を読み取って真似したんだよ~」
「なわけねぇだろ~!」
「奇跡だよ、奇跡だよ!翼!流奈と翼が出逢えたことは奇跡だよ」
「あの日コンビニ行ってよかった~」
「コンビニの帰りだったの?」
「うん。あのとき無性にアイス食いたくなって」
「ハハハ♪アイス?」
「いつもは面倒くせぇから絶対行かないのにな」
「やっぱり奇跡だぁ」
笑いながらふたりで寄り添って、ただ星を見ていた。
「もう少しでX'masだね」
「そうだなぁ~」
「一緒に過ごそうね」
「一緒にいてくれな」
空を見上げ、星に誓うように、同時に言って笑い合った。
ふらりでいると笑いが絶えなかった。
「今日は無理言ってごめんな。家帰って寝ようか」
「うん」
「次は春だな」
「でも春は遠いよ」
「じゃ、また今年中に雇用!」
「必ずね!」