。☆゜星空゜☆。
あたしたちは手をつないで車に乗った。
あたしはもう幸せいっぱいでニヤけた顔のままだった。
それから、車に乗って、また1時間くらい走った。
車の中で翼はいつもどおり手を握っていてくれた。
あっという間だった。
「流奈、降りるよ」
「うん」
あたしは車を降り、すぐ翼の腕にしがみついた。
周りを見渡せば、あたしたちと同じように幸せそうに笑うカップルが大勢いた。
「すげーなぁ!カップル」
「本当だね!みんな幸せなんだね」
「まぁ、俺たちの究極の愛にくらべれば、しょぼいもんだけどな」
「ハハッ♪そうだね」
普段も多くのカップルで賑わう公園だったけど、この日はまるで別世界だった。
無数のライトがキラキラと輝いていて、まるでおとぎ話の中にまぎれこんだようだった。
翼の腕に寄り添い、どれくらい時間が経ったのか、ふと見上げると、真剣な表情でイルミネーションを見つめる翼の顔があった。
夜空に輝く無数の星。
キラキラ光明かりに彩られた翼の顔。
かっこよくて、涙が出そうだった。
「翼?なんでこういうところたくさん知ってるの?」
「なんで急に?」
翼はいつも素敵なところに連れて行ってくれる。
前の彼女とかもここに来たのかな……。
考えるだけで嫉妬してしまうあたしがいた。
「べつに……」
答えてくれなかった翼にムッとした。
「どした?」
あたしのことを覗きこむ翼。
前の彼女にもこんな優しくしていたの?
あたしはどんどんテンションが落ちた。
「おい、流奈、どおした?」
翼が立ち止まった。
「なんでもないよ、平気だよ」
精一杯の笑顔を翼に向けた。