。☆゜星空゜☆。


「嘘!嘘ついてる。流奈が『平気』って言うときは平気じゃないんだ!」


真剣な翼の表情に、思わず本音を口にしてしまった。


「だって、だってさ……、翼はいままでの彼女とかも連れてきてたんでしょ?流奈と同じように愛してたんでしょ?優しかったんでしょ?」


翼に気持ちをぶつけた。


「アハハハハッ♪」


翼は大笑いした。


「フンだ!こっちは真剣に言ってんのに……。勇気出して言ってたのに!」

「だって流奈、バカなんだもん」

「なんでよ!」

「俺はひどい男だったんだ。好きって意味がわからなくて、だから『付き合って』と言われて、なんとなく付き合って……。それでやっぱり無理だと思って別れたりしてた。嫌な男だったんだよ。冷めてた男だったから……。なにに対してもな」

「ふ~ん……」

「初めてだよ、こんな想いしたの。こんなに人を愛したことはないんだよ」

「本当に?」

「神に誓ってないよ!俺がどんなに流奈に嫌われないように頑張ってるか知りたい?」

「えっ!?」

「笑うなよ?」

「なに?」

「ここに来たのも初めて。じつは、これまでふたりで行ったところもぜんぶ調べてたんだ。流奈の笑顔を見たくて。流奈の幸せそうな顔を見たくて。嫌われたくなくて。一生懸命なんだよ」

「本当!?」

「俺、本当に流奈の笑顔が好きなんだ。だから流奈の喜ぶ顔が見たいんだ。でも不安なんだ。すごく不安なんだ……。いつか捨てられちゃうのかもって考えると、すごく怖い……」

「バカじゃん!そんなの考えてるだけムダムダ~!]

「じゃ、いまここでさぁ、『翼が大好き』って叫んでよ」

「えっ!?いまここで?」

「そう、ここで」

「こんな人混みの中じゃ、恥ずかしくて言えないよ……」

「流奈は俺のこと好きじゃないんだ」

「ちっ、違うよ!でも恥ずかしいよ……翼は言えるの?」



そのときーーーー。


< 88 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop