。☆゜星空゜☆。
「流奈がだぁ~いすき!」
翼が本当に叫んだ。
こんな人混みの中で、なんの恥じらいもなく。
「ちょっ……、翼のバカ!」
あたしは翼を引っ張って、その場から逃げた。
周りにいた人の視線がいっせいに集まって、どうしていいかわからず、あたしのほうが照れた。
でも翼は平気な顔をしていた。
人混みを抜けると、ふたりして大笑いした。
「ハハハッ♪注目の的だったね~俺たち」
「もう~、本当に言うとは思わなかったよ~」
「言えるよ、何度でも。なんだったら、次は『愛してる』って叫ぼうか?」
本当に叫びそうだった翼の口を必死に塞いだ。
「ば~か!流奈は俺が流奈をどんだけ愛してるかわかってないんだよ~。俺は流奈のためならなんでもできるよ!流奈になんかあったときには、相手を死ぬまで追いかけるよ」
「ヘヘッ。翼の彼女になった流奈は幸せ者だね!」
「俺も、流奈の彼氏になって、ヤバいくらい幸せだけど」
人混みの中で、翼が叫んだ言葉。
恥ずかしくて穴があったら入りたかったけど、本当はすごく、すごくうれしかった。
それからレストランに入ってふたり完敗して、たわいもない話をたくさんした。
本当に、本当に言葉に表せないくらい幸せだった。