。☆゜星空゜☆。
「流奈?ピッチ鳴ってるよ」
「はい、はい」
ーーー雄也ーーー
着信画面を見て、一瞬固まった。
なんで?「寝る」って言ったのに。
鳴り響くピッチを見つめていた。あたしはとっさに留守電ボタンを押した。
“留守電”ボタンを押したつもりだった……。
「流奈~?行くぞぉ!」
「はぁ~い!ごめん!」
そのとき、理恵が、
「大丈夫?雄也クン」
「留守電にしちゃったから大丈夫!寝ぼけてると思うでしょ」
そう言って、あたしは理恵より先に車に駆け寄った。
「さぁ~て、出発な!」
「イェ~イ!」
ピピピピピピーーーー。
ふたたび鳴りだしたあたしの電話の着信音に、車の中が静まりかえった。
えっ?また雄也……。
「流奈、ヤバくない?」
理恵の言葉があたしに恐怖を与えた。
頭の中には恐ろしい雄也の顔だけが浮かぶ。
あたしは雄也からの鳴り響く着信をただみつめていた。
「待って。さっき留守電にしたから、なにか入っているかもしれない……」
そう理恵に言った。