リンゴアメとキミ
とにかく見られない内に
『さぁ!!瑠雨行こうか!!』
ワザとらしく明るくそう言って靴を履き
『行って来ます。』
とだけ言って瑠雨の手を引いて玄関を飛び出した
家を離れたところに来ると手は引いたままで歩く
「ねぇ…春輝。」
突然瑠雨が声をかけてきた…。
『ん?』
そう言って瑠雨の顔を見るとなんだか真っ赤な顔をしてる。
『どうした!?顔赤いぞ?熱でもあんのか?』
そう言って空いてる手の方を瑠雨のおでこに当ててみる。
瑠雨は大きく首を横に振って
「違う!!」
と言う。
『違う?じゃあどうした?顔赤いぞ?』
俺がそう言うと
「あのさ…春輝のお母さんが手に持ってたのって…」
言いにくそうに目を泳がせながらそう言った。