リンゴアメとキミ

「知らねぇ。」

「今どきそんなん売ってねぇだろ?」

ホワイトデーのお返し

なんとか瑠雨の希望通り

りんご飴を買ってやりたい俺は

クラスの奴らに聞きまくった。

りんご飴の売っている所を知らないか。

でも返ってくるのは

同じような返事ばかり。

マジどうしよ?

『ハ-ァ。』

小さなため息をついて机にうなだれる。

ほんとは大きなため息をつきたいけど

俺は瑠雨とクラスが同じだから

うかつに大きなため息なんてつけない。

瑠雨がもし俺の大きなため息に気づいて

心配なんてされたら…。

そう考えると

瑠雨にバレないように小さくため息をつくしかない。

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