リンゴアメとキミ

『知ってた?』

「ふぇっ?」

食べかけのりんご飴をおいしそうに

口にくわえながら返事をする瑠雨。

食べかけと言ってもまだまだ瑠雨の口よりは断然デカいりんご飴。

口いっぱいにくわえてるせいか間の抜けた声だった。

そんな瑠雨に自然と笑顔になり

『ホワイトデーって日本で生まれた習慣で外国ではみられない習慣らしいよ?』

と言った。

「そうなの!?初めて知った!!」

目を大きくして言った瑠雨…

『日本人は義理と人情を大切にすっからな』

「ふ~ん?そっかぁ…。」

口からりんご飴を出し

クルクル回しりんご飴を眺めながら

独り言のようにそう言う瑠雨…

『瑠雨…』

「ん~?」

チュッ

////

瑠雨の顔が赤く染まる

俺の顔も赤くなる。

不意に奪った唇

それはほんの一瞬の出来事で

一秒にも満たないくらい

短い時間でした小さなキス…

甘いりんご飴の味がした。

そして

照れくさい俺はまた俯くんだ…

いつかいつかちゃんと

キスした後に言うから…

キミの瞳を見つめて

『愛してる』

って…あふれだしそうなくらい愛しい想いをこめて

だからそれまで待ってろよ?

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