霙と呼ばれた猫
プロローグ
二人の男女が水の混じった雪が降る山道を歩いていた。
「私達二つの者が揃って行動するなんて珍しくない?」
明らかに季節を間違えた真っ白なサマードレスを着た女性が言った。
少女というには大人びまた少女のあどけなさが残った女性。
「それは言われたから!霙!俺は一人でも出来る。」
真逆に真っ黒なライダージャケットに身を包んだ男が言った。
「湯太郎、貴方はいつもそうね。一人で何でも出来ると思ってる。」
霙と呼ばれた女性は少し寂しそうな顔をして言った。
「丁度、こんな季節だったかしら?」
「何がだ?」
「湯太郎?少し昔話を聞かないかしら?」
怪訝な顔をする湯太郎。
「昔話?」
「そう、貴方にもあったでしょ?私達が二つの者になる前の時の事」
湯太郎は一人の少女と少年。そして自分の事を考えていた。
「この、空から降るものが止むまでの時間潰しになるかもしれない。聞こう。」
そう言うと湯太郎は目を瞑り地面に座った。
「クス」
霙は小さい子を見るように少し笑った。
「私達二つの者が揃って行動するなんて珍しくない?」
明らかに季節を間違えた真っ白なサマードレスを着た女性が言った。
少女というには大人びまた少女のあどけなさが残った女性。
「それは言われたから!霙!俺は一人でも出来る。」
真逆に真っ黒なライダージャケットに身を包んだ男が言った。
「湯太郎、貴方はいつもそうね。一人で何でも出来ると思ってる。」
霙と呼ばれた女性は少し寂しそうな顔をして言った。
「丁度、こんな季節だったかしら?」
「何がだ?」
「湯太郎?少し昔話を聞かないかしら?」
怪訝な顔をする湯太郎。
「昔話?」
「そう、貴方にもあったでしょ?私達が二つの者になる前の時の事」
湯太郎は一人の少女と少年。そして自分の事を考えていた。
「この、空から降るものが止むまでの時間潰しになるかもしれない。聞こう。」
そう言うと湯太郎は目を瞑り地面に座った。
「クス」
霙は小さい子を見るように少し笑った。