*あたしの好きな人*
*2-2*
夏休みもあと1週間となった。
雄太とは別れたけど、
未だ嫌がらせのメールは続いている。
だんだん内容もひどくなってきた。
でもあたしはその相手に
返信することもなければ、
最近は本文も開かずに
削除している。
今はそんなことに悩んでいる暇はない。
あたしは奈々に電話をかけた。
プルルルル‥‥‥プルルルル‥‥‥
「はーい!」
元気な奈々の声が聞こえた。
「奈々、元気だね〜。」
「元気だよ〜。でももう夏休み終わっちゃうから若干ブルー入ってるよ〜。」
「あはは!あと1週間だもんねぇ。」
ん?あれ?近くで男の声がする‥‥
「奈々?もしかして今祐介さんと一緒にいる?」
「あ、うん。私今祐介の家にいるんだ。祐介も今友達と電話してて‥‥」
「そうなんだ。ごめんね、邪魔しちゃって‥‥」
「全然いいって!それよりどうしたの?何かあったんでしょ?」
あたしは今奈々に言うべきか
躊躇った。
祐介さんが近くにいるから
なんとなく龍の話はしにくい。
「柚?‥‥龍さんのことでしょ?」