*あたしの好きな人*

奈々には隠してもバレてしまう。


「‥‥うん。今日の夜、龍がいるって言ってたコンビニに行ってみようと思うんだ。」

「え?柚、まだ龍さんに会ってなかったの?てっきり会って何かあったのかと思ってたよ!」


すると隣で祐介さんの声がした。

友達との電話が終わったんだろう。

「柚ちゃんだろ?ちょっと代わって!」

そう聞こえたと思った瞬間。


「もしもし!柚ちゃん?俺、祐介!」

「はい。久しぶりですね。」

「柚ちゃん!すぐ龍に会いに行ってやって?もう俺の言うことじゃ聞いてくれねーんだ。たぶん柚ちゃんの言うことならあいつ聞いてくれると思う。」

「なんでですか?」


なんであたしの言うことなら
聞くってわかるの?


そんなの、あたしバカだから
変な期待とかしちゃうじゃん。



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