*あたしの好きな人*
しばらくすると桜姉が来た。
「どうした〜?龍のこと?」
あたしは静かに頷いた。
「何かあった?」
そしてあたしはさっき祐介さんから
聞いたことを、
ゆっくり話した。
「要するに祐介は、柚が龍に会いに行けば、今荒れているのがおさまるかもしれないって言ってるんだよね?それってさ、龍は柚が好きってことでしょ。」
「違うよ!あたしが一方的に好きなだけで、龍の気持ちなんてわかんないし、たぶんなんとも思ってないよ。」
「本人から聞いたわけじゃないでしょ。」
「そうだけど‥‥でも‥‥」
「あくまでも祐介の予想だろうけど、龍が急に荒れだしたのは柚と疎遠になってからなんだし、何か関係してるかもしれない。無駄だって思うかもしれないけど会うだけ会ってみたら?そう決めたから付き合ってた彼氏と別れてきたんでしょ?っていうか、龍が好きなら会いに行ってきな。」
そうだった。
あたし、龍が好きで会いたくて
雄太と別れたんだ。
会わなきゃ。
ちゃんと龍に会いに行かなきゃ。
時計を見るともう9時近く。
「あたし今から行ってくる。」
「危ないし、近くまで送ってあげる。」
「ありがと。」
そして桜姉に駅まで送ってもらい、
コンビニまで歩くことにした。