*あたしの好きな人*
「出さねーよ!っつーか出せねーよ!お前にだけは殴られたくないね。」
「そうかよ。じゃぁまたな。」
龍は手をあげて、
あたしを連れて歩きだした。
「みんな仲良しだね。」
「おぉ。昔からつるんでるからな。」
「昔って、中学のヤンキー仲間?」
あたしはニヤっと笑って聞いた。
「え、おまっ‥‥え?なんだよ。どういうこと?」
龍は急に焦りだす。
「だから〜中学のときからのヤンキー仲間?龍はヤンキーだったんでしょ?」
「は!?ヤンキーじゃねーよ。っつーか誰に何聞いたんだよ。」
「んっとね〜、祐介さんからいろいろ聞いた!」
「祐介‥‥どこまで聞いた?」
「どこまでって、どこまであるのかわからないけど‥‥すごーく荒れてたって。龍?もうあんまり危ないことしないでね?龍と一緒にいられなくなるのは嫌だよ。」
「はぁ‥‥あれも聞いたみたいだな。もう捕まるようなことしねーから。心配すんな。」
龍はあたしの頭をなでた。
あたしは龍の腕にしがみついた。
「今日はもう送るから。」
「‥‥うん。」
もう帰っちゃうんだ。
淋しい。
「なんだよ。そんな顔すんなよ。」
「だって、せっかく龍に会えたのに。」
「また明日も会えばいいじゃん。」
そっか。
これからはまたいっぱい会える!