*あたしの好きな人*

あたしの家の前に着いた。


するとちょうど、
桜姉が家から出てきた。


「お〜柚、おかえり!大丈夫だった?って、あれ?龍じゃん!あんた久しぶりだね〜。」


「桜さん。どうも。」


「ん?二人一緒にいるってことは‥‥どういうこと?」

桜姉はあたしと龍を交互に見た。

「こういうことっす。」


龍はあたしの手をつないで上にあげた。


「マジ?そっか〜!柚、よかったじゃん!龍!柚のこと泣かせんなよ!この子あんたのことでさっきまで超悩んでたんだからね!」

「マジすか!?すいません。泣かせねーっすから!」


桜姉は龍の言葉を聞き、
安心したような表情を浮かべ
出かけていった。




「桜さんて今でも夜中遊びに出てんの?」

「そだよ。元気だよね。昼間は仕事してんのに。」

「さすが‥‥タフだな。」


龍とあたしは桜姉が見えなくなるまで
ぼーっと見送っていた。



「じゃ、帰るな。また連絡する。」

「あ、うん。龍、今日はありがと。」

「おぉ。じゃーな。」


‥‥チュッ‥‥‥‥



ボッ!
あ〜!あたしの顔から火が出る!

今の!
今のはヤバイ!


龍〜、そういうの反則だよ。




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