*あたしの好きな人*
ボボボボボ‥‥‥
低くて大きな音。
‥‥‥‥龍?
え‥‥‥バイク!?
あたしは驚いて、言葉をかける間もなく龍はあたしに何かを差し出した。
「はぃ。これ、お前専用のメットな。ピンクで可愛いだろ?」
「あ、うん!超可愛い!なんであたしがピンク好きって知ってるの?」
「さぁ?なんとなく?貸して。」
龍はあたしの頭にメットをかぶせてくれた。
「この後ろも、柚しかもう乗せねーから。」
ヤバ。。。。嬉しい。
「約束だよ?」
「おぉ。」
あたしは涙が流れないように
必死にこらえた。
「龍!大好き!」
龍は驚いた表情をして、
あたしの頭をくしゃっとした。
「乗れ。行くぞ。」
なんか龍、照れてる感じ。
あたしは龍の後ろに乗り、
ぎゅっとつかまった。
くっついていられることは
嬉しかったけど、
ちょっと恐くて強くしがみついた。
そのとき龍は、気付いてくれたのか、
スピードを少し落としてくれた気がした。
その優しさに、また惚れた。