*あたしの好きな人*

今のうちにちょっとだけ化粧しよっかな。


でもこれからだってこういうことあるだろうし。

きっとお泊まり増えるだろうし。

そのたびにこんなことしてられないし。



でもでも、今日は初めてだし?

ちょっとだけならしたほうがいいかもね、逆に。




いろいろ悩んだ末、
軽くまゆげと目だけでも
‥‥と思ってポーチをあけた。




ガチャ‥‥





「あ?どっか出かける?」


「‥‥龍。あはは‥‥えっと、その、スッピンだったし?」



「は?せっかく風呂入ったんだしいいじゃねーか。」


「だってスッピンみられるもん。」


「変わんねぇって。」


「それもなんかショック。」


「柚ならスッピンでもなんでもいい。」



キュン‥‥‥


龍〜!


あたしはついつい龍に抱きついてしまった‥‥けど‥‥




龍、上半身裸じゃん!




「はいはい。またあとでゆっくりな。」


「‥‥龍のエッチ。」


「お前から誘ったんだろ。」






あたしはテレビをつけた。


龍は髪を乾かす。





しばらくして、龍はテレビを消した。


「あ!なんで消すの〜?」



龍は無言であたしの手をひき、
ベッドにいった。



急にあたしは緊張感に襲われた。




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