*あたしの好きな人*


龍はベッドに横になり
あたしの場所を半分あけた。



あたしはそっと龍の隣に寝転がった。




緊張で体が硬直して動かない。





う、無理!限界!



「龍、暑くない?クーラーの温度下げようか。」


「もう下げてある。」


「‥‥あ、そう。」


実際、けっこう部屋は冷えている。



あたしの顔だけが熱い。




「お前、緊張してんの?」

「べ、べつに?」

「そんなガチガチになんなよ。なんもしねーよ。こっち来い。」




龍に呼ばれ、
またベッドに寝転がった。



あたしは恥ずかしくなって
龍に抱きついた。


「‥‥なんだ、誘ってんのか。」



くっついたまま顔を横に振る。








「柚?ちょっと顔あげてみ?」


「嫌‥‥」

「いいから。わかってるよ、真っ赤なのは。」


う〜‥‥くそぉ〜‥‥
龍のやつめ。

どうせ、超がつくほど真っ赤ですよ。







すると、急に龍の手に顔を挟まれ、
無理矢理顔をあげさせられた。


「嫌〜‥‥‥んっ‥‥」






龍はキスをした。


一度離れたと思ったら、
またすぐにキスをした。





長い長い、熱いキス。


だんだん体の火照りがおさまってきたと思ったのに、
また一気に体が熱くなった。





「ん、りゅ‥‥龍‥‥」



そして龍の舌があたしの舌をとらえた。





「‥‥ん、はぁ‥‥」




龍は唇を離し、あたしをぎゅっと
抱き締めた。




「龍‥‥」

「大丈夫。今、理性取り戻し中。」



「ふふっ。何それ。」

「俺の理性が飛んでいっちまわないようにしてんの。」


「‥‥‥龍?飛んでっちゃってもいいよ。」




ギャァ!あたし何言ってんの!!


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