*あたしの好きな人*

駅までの道、桜井龍は
学校でのことをたくさん
話してくれた。



まず、朝学校に行くと必ず、
ほぼ毎日、生徒指導の先生に
呼ばれるんだって。

それで、金髪を直せとかピアスを外せとか制服をしっかり着なさいとか遅刻ばかりするなとか。。。。

「毎朝毎朝うぜーんだよ。なんで俺ばっかなんだよなぁ?他にもとんでもねー奴いっぱいいるぜ?」

なんてダルそうに言ってた。




「それから解放されたと思ったら次はケバくて香水くせぇ女どもが寄ってくるだろ?全然嬉しくねーんだよな。あんな団体で来られても。」


桜井龍は本気でウザそうな顔をして言った。


ふーん。
やっぱりいつも女子に囲まれてるんだね‥‥



「ファンクラブみたいなのがあるって聞いたことあります。」


「は?ファンクラブ?ねぇよそんなもん。知らねーよ。誰だよ勝手にそんなもん作りやがって。」



「いいじゃないですか!モテるんだし。」


半ばやけになってあたしは言った。




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