*あたしの好きな人*
「柚〜おはよ。」
「ん?あ、奈々。おは〜。」
「あれ?今日はなんか気合い入ってない?」
「そう?普通だよ。」
「あ〜‥‥昨日なんかあったでしょ。龍さんと♪」
「え?べつになんにもないよー。」
あたしは目を泳がせ、平然を装った。
が、しかし、
奈々にはやっぱり通用せず、
昨日あったことを全て話さなければいけなくなった。
「ふーん、そっか〜。一日でそこまで進むなんて柚にしたら珍しい。ってゆーか初でしょ!」
奈々の言う通り。
今まで好きな人とは
連絡先すら交換できないまま
終わったり、
連絡先知っても連絡とらなかったりで、とくに何も起こらなかった。
どうでもいい奴からは連絡くるんだけどな‥‥‥
「桜井龍、彼女いないって。」
「あ、そうなんだ。祐介の情報古いね。」
そんな話をしていると、
いきなり廊下からは女子の
「キャーッ♪」という叫びに似た声が。
振り返るとそこには祐介さんと桜井龍がいた。