*あたしの好きな人*

「腹減った。なんか食いに行こ。」


祐介さんの提案で、
学校近くのファーストフード店に行くことに。



玄関までは男と女に別れて歩き、
校門を出たところで急に奈々は祐介さんの隣に行ってしまい、自動的にあたしは桜井龍と歩かなきゃいけない状態。



あ〜、何話そう。
緊張して何も出てこないや。


それに、
まだまだ痛い女子の視線。

下校中の、きっと桜井龍ファンだと思われる女子があたしを睨む。
ほとんどが先輩。
桜井龍とタメの女たち。


何よ。あたし何も悪いことはしてないし。



「柚ちゃん?」

急に桜井龍に呼ばれた。

「はいっ!?」

「なんか考え事でもしてんのか?」

「いえ、そんなことないです。」

「早く行かないと、あいつらもう遠くなってるけど。」


げ!奈々たち歩くの早いよ。



「ごめんなさい!ちょっとぼーっとしてしまってました!」


「はは!大丈夫か?」

「はい。」


それからあたしと桜井龍は
少し早足で奈々たちに追い付いた。



ファーストフード店に着き、
また自動的にあたしは桜井龍の隣にすわることになった。



学校の近くということもあり、
生徒が何人かいる。


やっぱりあたしは睨まれる。




< 33 / 146 >

この作品をシェア

pagetop