*あたしの好きな人*
放課後。
奈々はいつものように祐介さんが迎えにきて帰っていった。
あたしは今日は龍にメールを送っていない。
さっき、諦められない!って思ったのに、なんとなくやっぱり今日のことが引っ掛かり、メールができずにいた。
このままここにいても仕方がないし、今日は1人で帰ろうかな。
そう思ってカバンを持ち立ち上がったとき。
「柚!」
教室の後ろのドアから誰かに呼ばれた。
誰かっていっても、この声はすぐにわかる。
あたしの好きな人。
龍。