*あたしの好きな人*
「お前今日休みかと思ったよ。メール来ねーから。」
「あ‥‥うん‥‥ごめん。」
龍はあたしのいつもと違う雰囲気を察したのか、教室に入ってきた。
まだちらほら残っている女子がヒソヒソ話しだす。
「どうした?なんかあったか?」
龍。。。。やさしいよ。
「ううん、何もないよ?」
「今日は一緒に帰らねーの?」
ゔ‥‥‥‥‥
どうしよう。
一緒に帰りたい。
でももしまた篠山理穂に見られたら‥‥
「柚〜?」
龍はあたしの顔を覗き込む。
あーやめて。そんな顔で見ないで!
余計諦められなくなる!
「‥‥一緒に帰る。」
あーぁ。
あたしってば。
あんな奴に負けてられない。
「じゃぁ行くぞ。」
結局あたしは龍と帰ることを選んだ。
篠山理穂と戦うことを選んだ。
それくらい、あたしは龍のことを好きになっていた。