*あたしの好きな人*
翌日、学校に行き、教室に入ると、
奈々が真っ先にあたしのところに来た。
「柚!柚!おはよ!あのね!さっき、隣のクラスの横山くんが柚を探しに来たよ!柚ってば、横山くんと友達なの!?」
奈々はめちゃくちゃ早口で話した。
まだほんの少し寝ぼけ気味のあたしの頭は着いていけず、奈々の言っていることをゆっくり理解しようとした。
「ちょっと柚!聞いてた?横山くんと友達?」
「‥‥‥‥横山?誰それ。」
奈々は一瞬、目を見開き、驚いた顔をした。
「横山くん知らないの?龍さんにファンクラブがあるみたいに、横山くんにもファンクラブができてきてるんだよ!」
「そうなんだ。で、その人がなんて?」
「だーかーら、柚を探してたの!」
「え?あたしを?なんで?」
「知らないよ〜。こっちが聞きたいよ!いいなぁ横山くんと関わりがあって。」
は?関わり?
ないないないない。
だって横山なんて人、あたし知らないしー。
「あっ!!柚!横山くん来たよ!」
奈々がそう言ったから、
あたしは後ろのドアを見た。
あっ!
あいつ、昨日の奴じゃん!
「奈々、あたしあいつに昨日話し掛けられたよ。龍と一瞬にいたのに。」
「マジで?なんて?」
「友達になってとかなんとか‥‥」
「すごいよ柚〜。やっぱ柚はモテるんだね!」
はぁ‥‥‥