*あたしの好きな人*
「椎名さん、おはよ!」
横山という昨日の男子は
異常に爽やかな笑顔で話し掛けてきた。
ははぁ〜ん、
女子はみんな、この爽やかさと
笑顔にやられるわけね。
「椎名さん、連絡先交換しよ?」
は?なんで?
「今、なんで?って思ったっしょ?昨日せっかく友達になったんだから、いいじゃん?」
なんなの?こいつ。
あたしがずっと無言で黙っていると、
横山は急に机に置いてあった
あたしの携帯を手にとった。
「赤外線で入れとくから!」
「え!?ちょっと‥‥」
「はい完了。また連絡するよ!じゃーな!柚ちゃん!」
ちょっと待てーい!
勝手に友達になって、
勝手に連絡先交換して、
勝手に柚ちゃんなんて呼ぶな!
「な〜んか柚、横山くんに気に入られたって感じだね。」
奈々〜、その他人事のような表情と言葉。。。。
まぁ奈々にしたら他人事なんだけどね。
「龍にメールしたくなってきた‥‥」
あたしがポツリと呟くと、
奈々は「しちゃえしちゃえ〜」と
なんだか楽しそうに言った。
あたしは龍に今日も一緒に帰りたいとメールした。
龍からはすぐにオッケーの返事がきて、
なんとなくあたしは安心した気持ちになった。