*あたしの好きな人*
「ここ、俺んち。」
あ、もう着いちゃった。
あたしったら、
緊張のあまり、何も会話
してなかったんじゃ‥‥
あぁ、もう、ダメ!
普通にしろ!柚!
「柚?階段上がって一番奥の突き当たり、俺の部屋だから。」
龍はそう言って、飲み物を取りに行ってしまった。
あたしは階段を上がり、
一番奥の部屋のドアを開けた。
と、
その瞬間、
龍の匂いがふわっと漂った。
広くてけっこう綺麗にしている部屋。
あたしはテーブルの近くに腰をおろした。