*あたしの好きな人*



「ここ、俺んち。」




あ、もう着いちゃった。




あたしったら、
緊張のあまり、何も会話
してなかったんじゃ‥‥



あぁ、もう、ダメ!

普通にしろ!柚!






「柚?階段上がって一番奥の突き当たり、俺の部屋だから。」






龍はそう言って、飲み物を取りに行ってしまった。



あたしは階段を上がり、
一番奥の部屋のドアを開けた。







と、

その瞬間、

龍の匂いがふわっと漂った。







広くてけっこう綺麗にしている部屋。





あたしはテーブルの近くに腰をおろした。




< 61 / 146 >

この作品をシェア

pagetop