*あたしの好きな人*

ふぅ〜、と龍の吐く息の音だけが部屋に響き、二人とも何も話さない。





なんか話さないと、

気まずい。。。。










「ねぇ、兄弟いるの?」






「兄貴。」



「そうなんだ。あたしもお姉ちゃん。」



「ふーん。」



‥‥終わり?

あ〜どうしよう‥‥




「何個上なの?」


「2つ。兄貴も俺らの高校卒業してんだ。」


え?あ‥‥



「あたしのお姉ちゃんも!じゃぁ同級生?」



「そうなるな。なんて名前?」



「桜。椎名桜だよ。わかる?」




「‥‥‥え?桜?‥‥マジで!?桜さんお前の姉ちゃん!?」



龍は突然大声で驚いた表情をした。





「う、うん。そうだよ。」




「マジか〜。あの桜さん、柚の姉ちゃんだったんだ。」



なんか意味ありげな感じ。


「何かあるの?」






「俺の兄貴、桜さんと付き合ってたからさ。よくうちに来てた。」






「えー!?そうなの?」



「あぁ。よく夜中に遊びに連れてってもらってたんだ。桜さんのバイクのケツにも乗ったことあるし。でもそんときは兄貴にボコられたよ。兄貴、桜さんにゾッコンだったからなぁ。」


龍はそう言って笑った。


そうだったんだ。

お姉ちゃん、龍のお兄さんと付き合ってたんだ。



龍のお兄さん見てみたいな。

きっとかっこいいんだろうな。

だって、龍のお兄さんなんだもん。



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