*あたしの好きな人*

「あ、そういえば写真あるかも。見る?」



「見たい!」




龍は立ち上がって引き出しをあさりだした。




「あった。はい。」








「うわ‥‥‥すご‥‥」



その写真には、見事にヤンキーな龍のお兄さんと、
その隣で、また派手にヤンキーなあたしのお姉ちゃんが写っていた。


自分のお姉ちゃんなのに、こわいよ。









「なぁ、腹減らね?」


龍が言った。

そういえばお腹すいたかも。




「うん。なんか食べに行く?」



「おぉ。でも一つ、俺が今から言うこと守るって約束できたら連れてってやる。」





「え‥‥‥?約束?‥‥うん、何?」









なんだろう。










「龍って呼べ。」

















あ。また言われた。





けっこう気にしてるのかも。








「わかった。ごめんなさい。ほんとはずっと呼ぼうと思ってたの。」





「そんな深刻になるなよ。冗談だよ。無理に言わせねーから。」








「‥‥龍。あたしこの前のラーメンが食べたい。」







「‥‥あ、おう!ラーメンでいいのか?ん、よし!行くか!」







龍は立ち上がって部屋を出た。
それに続きあたしも部屋を出て、
龍と一緒に玄関を出る。


「おじゃしました〜。」



「誰もいねーよ。」




いや、でも、ね?
一応、ね?






そしてラーメン屋さんに行き、
ラーメンを食べ、龍はあたしを
家まで送ってくれた。



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