*あたしの好きな人*
痛い‥‥!
何?何が起こったの?
うっ!いたっ!
篠山理穂が倒れているあたしのお腹を蹴った。
「ゲホッ!」
痛い。
うっ!!
他のやつらも混ざって蹴り始めた。
篠山理穂はニヤッと笑って言った。
「次、龍くんに近づいたらどうなるかわからないって言ったよね?お前、龍くんち、何しに行ったんだよ。」
反論したくても声が出ない。
他のやつらが蹴るから。
たまに顔にも当たって痛い。
「なんとか言えよ!龍くんに近づくなって言ってんだよ!」
じゃぁこいつら止めてよ。
もう無理。
だんだん意識が朦朧としてきた。
あ、もうダメ。
「てめぇら何やってんだよ!」
遠くで誰かの声が聞こえた。
龍?
龍、助けに来てくれたの?
ううん、違う。
この声は龍じゃない。
誰?