*あたしの好きな人*


横山は今日の休み時間、たまたま廊下を歩いているとき、篠山理穂たちが話す声を聞いた。

べつに気にとめることはなかった。

あたしの名前が出てくるまでは。



篠山理穂たちは、あたしが龍と仲良くしていることを、あの初めて体育館裏に呼ばれて殴られたときからずっと気に入らなかった。

篠山理穂は忠告したにも関わらず、龍と仲良くするあたしについにしびれを切らした。

今日の放課後、ヤッてやる。

クラスの男子を使って、あたしに、龍は玄関にいると言わせた。

そんなのは全くの嘘。

龍はその時、教室にいたらしい。

その計画を全て聞いてしまった横山は、次の休み時間、あたしを誘いにきた。

放課後、篠山理穂たちに捕まってしまわないように。


でもあたしがあまりにも怒ってしまったから、横山は諦めた。


でも放課後、あたしが篠山理穂たちに連れて行かれたのを確認し、あとを着けてきた。




そして横山はあたしを助けた。






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