*あたしの好きな人*


新着メール1件
 柚ちゃん、連絡つかないから家の前まで来たんだけど‥‥


横山からメールが来た。

それと同時に家のチャイムが鳴る。



ピンポーン‥‥

今うちにはあたし一人。



仕方なくあたしは玄関を開けた。






「柚ちゃん‥‥‥いたんだ。ずっと連絡つかないから心配したよ。」




横山は悲しそうな、
でも少し安心したような
そんな表情をした。




「‥‥ごめん。」


あたしはそれだけしか言えなかった。




「少し話せる?」

「うん‥‥あがって?」

あたしは横山を部屋に入れた。






「今までどうした?連絡しても出ないで。なんかあった?」



さっそく本題に入った横山。



なんて答えたらいいかわからない。




「桜井龍となんかあった?」

「違う‥‥龍とは何も‥‥」


なかったわけじゃない。

でも直接龍と何かあったわけでもない。


龍絡みでボコられるあたしを
横山は助けてくれた。


だから横山と付き合うのは
何か違う。


あたしが好きなのは龍だから。





あー!もう!
何が言いたいのかわからない!




「柚ちゃん、なんか言ってよ。」








「横山‥‥あのね、あたし‥‥」



「雄太って呼んで。俺ら付き合ってんだよね?」




今一番困る質問。



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