*あたしの好きな人*
「柚〜、ほんとに横山と付き合ってんだね。」
今日は久しぶりに奈々と遊んでいる。
「うん‥‥一応、付き合ってる‥‥のかな。」
「龍さんはもういいの?好きなんでしょ?」
「好きだよ。でも龍を好きでいると、なんか辛いっていうか‥‥」
「だからって横山と付き合っていいの?」
「う〜ん‥‥‥それで龍を忘れることができたら‥‥って思うんだけどね、雄太と一緒にいると余計に龍のこと考えるんだ。」
奈々は黙ってしまい、
何か考えているようだった。
「ん、まぁとりあえずさ、雄太に海に誘われてるんだ。水着買わなきゃだし、買い物行かない?」
「海?‥‥‥そっか。わかった!買い物行こう!私はさ、柚が決めたことならどんなことだって応援するよ。でも柚、自分に嘘はついちゃダメだよ?」
「うん、わかった。ありがとう!」
奈々は真剣にあたしのことを
考えてくれている。
だからあたしも間違った答えを
出さないようにしなきゃ。
って言っても、
何が正しくて、何が間違ってるか
なんてそんなのわからない。
でもきっと、
そのときあたしが自分で出した答えが
正しいんだ。
それを見つけることができるまで
どれだけ時間がかかるからわからない。
でも、それまで、
今は雄太と楽しもう。
とりあえず今出したあたしの答え。
そして奈々と水着を買いに街へ行った。