*あたしの好きな人*



「柚〜、ほんとに横山と付き合ってんだね。」


今日は久しぶりに奈々と遊んでいる。



「うん‥‥一応、付き合ってる‥‥のかな。」


「龍さんはもういいの?好きなんでしょ?」



「好きだよ。でも龍を好きでいると、なんか辛いっていうか‥‥」

「だからって横山と付き合っていいの?」


「う〜ん‥‥‥それで龍を忘れることができたら‥‥って思うんだけどね、雄太と一緒にいると余計に龍のこと考えるんだ。」



奈々は黙ってしまい、
何か考えているようだった。



「ん、まぁとりあえずさ、雄太に海に誘われてるんだ。水着買わなきゃだし、買い物行かない?」




「海?‥‥‥そっか。わかった!買い物行こう!私はさ、柚が決めたことならどんなことだって応援するよ。でも柚、自分に嘘はついちゃダメだよ?」



「うん、わかった。ありがとう!」


奈々は真剣にあたしのことを
考えてくれている。


だからあたしも間違った答えを
出さないようにしなきゃ。


って言っても、
何が正しくて、何が間違ってるか
なんてそんなのわからない。



でもきっと、
そのときあたしが自分で出した答えが
正しいんだ。


それを見つけることができるまで
どれだけ時間がかかるからわからない。


でも、それまで、
今は雄太と楽しもう。

とりあえず今出したあたしの答え。








そして奈々と水着を買いに街へ行った。



< 88 / 146 >

この作品をシェア

pagetop