いけい☆ミラクル
私の茶茶に昴はきっ、と睨み付けてくるが、なんかもう開き直ったように麻由に怒鳴りつける。

「お前は紺野麻由だろ!だから麻由って呼ぶ。文句あるか!」

麻由はきょとんとしていたが、はにかんだように笑うと、昴にティッシュを手渡し、言った。

「…嬉しいです、昴さん。」

昴の顔は真っ赤で、すぐにでもからかってやりたくなったのだけど、麻由の幸せそうな笑顔に免じてやめにしてあげた。

私達の夏は、なんとか平和に過ぎようとしていた。
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