いけい☆ミラクル
「慶人くん…?」

「…お前は余裕かもしれないけど…俺は…。」

慶人くんは何かを言いかけると、ぐっと唇を噛み締めて、本棚にあった辞書を投げて寄越した。

「早く出てけ。」

「あの…ごめん、慶人くん…。」

「いいから早く!」

慶人くんの鬼気迫る勢いに、私は辞書を拾いあげて急いで出て行く他なかった。

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